「白雪姫」と「生成AI」

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Photo by Tatsu Akita

広く知られている童話の一つに「白雪姫」があります。白雪姫の母親は若くして亡くなり、継母がやってきます。

 

継母は、たいそう美へのこだわりが強い女性で、愛用の鏡に向かい「この世で美しいのは誰か?」と日々問います。しかし、ある日を境に、彼女は満足のいく答えを得られなくなります。

 

理由は、白雪姫が成長し継母より美しくなったと鏡が認識したから。そのため継母から迫害され、辛くも逃れた白雪姫でしたが、継母特製の毒リンゴを食べてしまい、間一髪のところを通りすがりの王子に救われ「めでたしめでたし」なエンディング。

 

しかしここで一つの疑問が、継母の問いに忠実に答えていた、あの「鏡」は、実は「生成AI」だったのでは⁉もし仮にそうだとすれば、継母は使い方を誤ったのかもしれません。鏡はたしかに質問には答えましたが、白雪姫を亡き者に、とは提案していません。

 

生成AIは、同じ目的で質問したとしても、その質問の仕方によって、その答えが全く変わってしまう可能性があると言われます。ある意味、質問する人によって結末が変わるという事かと。そのためでしょうか、最近「プロンプトエンジニア」という言葉を聞くようになりました。

 

プロンプトエンジニアとは「AIから上手に答えを引き出す」職種などと言われ、ChatGPTの存在とともに話題になっています。「プロンプト」とは、生成AIへの「指示文」のことで、ChatGPTを使用する場合は、チャットボットにメッセージ(指示文)を送ります。

 

「AIと対話して最適な答えを引き出す」という仕事。白雪姫の継母は魔法使いだったとも聞きますが、魔法は扱えても鏡から適切な答えを導くことは、別だったのかもです。そして私たちも、こうした生成AIと直接向き合う時が、やって来たようです。