―「DX」研究会 学習会 ―
コロナ禍以降の私たちの社会は、急速にデジタル化が進行し、特に「お金」の分野は顕著です。
店舗のセルフレジ化や、銀行のデジタルシフトなど、多様化するキャッシュレスは、利便性と共に重要な課題もまた、私たちにもたらしています。
そうした「キャッシュレス」の「利点とリスク」の概要を学習しました。*PowerPoint使用
最近よく聞く「フィンテック」は「金融」を意味する「finance」と「技術」を表す「Technology」を組み合わせた造語で、デジタル技術による「お金に関する新しいサービス」のことを言います。
フィンテックには、さまざまなサービスがあります。例えば、一時期よくニュースを賑わせた「暗号資産」や「クラウドファンディング」、そして今回学習する「キャッシュレス決済」も、フィンテックのうちの一つです。
この「キャッシュレス」、実は日本で初めてクレジットカード会社が設立されたのは、1960年と言われ、その歴史は意外と長いのです。
キャッシュレスとは「現金を用いない決済方法」で、代表的なものに《クレジットカード》《プリペイドカード》《デビットカード》そして《ICカードや電子マネー》《QRコード決済》などが。
これらは《スマホ》に組み込まれ、私たちにとって、より身近な存在になりつつあります。
経済産業省が毎年公表している「日本のキャッシュレス決済額と比率の推移」です。経産省は、この比率を2025年までに4割程度にすることを目指しています。
2022年の「キャッシュレス決済比率」は36.0%、決済額は初の100兆円を超え拡大を続けています。2025年度には、150兆円を超えるとも言われています。
2022年の「キャッシュレス決済」の「種類別」を見ると「クレジットカード」が圧倒的に見えますが、じつは若干の減少傾向にあると言います。
一方で「QRコード決済」の割合が増加、さらにそれぞれのサービスは、今後のシェアの動向に注目です。
【クレジットカード】分野では、交通機関を中心とした「タッチ決済」の導入や《スマホアプリ》でのサービス多様化も開始。【デビッドカード】は、若年世代の支持を集め、【電子マネー】のSuicaでは、JR東日本が25年ぶり「改札機」の全面刷新で「QRコード切符」の導入も。
【クレジットカード】決済時に商品やサービスを受け取り→ 後日支払い。《1回払い》や《分割払い》《リボ払い》などから選択が可能。
(注意)クレジットカードは「与信審査」があるため、決済方法としてはハードルが最も高い決済とも。主なカードブランドに、VISA、MasterCard、JCB、などがあります。
【プリペイドカード】カードに予め《決められた金額》が入っていて、その額まで支払可能です。例えば「図書カード」や「QUOカード」、プリペイドタイプのクレジットカード、コンビニや家電量販店などで目にする「Apple Gift Card」や「Google Playギフトカード」なども。
【デビットカード】決済時に《銀行口座》から利用金額を引き落とし。クレジットカード同様に広く利用できますが、利用可能な金額は《口座残高》に限られます。与信審査はなく、支払い方法は《1回払い》のみ。残高が《即時反映》のため、分かりやすいのが若年層に人気と言われます。
【ICカード・電子マネー】カードやスマホなどに事前にチャージ(入金)して支払うタイプで、決済スピードが速く、小額決済に適していると言われます。
【二次元コード決済】スマホのアプリを使って「QRコード」や「バーコード」を読み取り決済、ポイント還元キャンペーンが充実しています。《キャリア決済》が有名で、主なものに、d払い、au PAY、PayPay、さらにLINE Payや楽天ペイなども。
キャッシュレス決済の主な「メリット」は、
また、硬貨・紙幣の生産、運搬などに伴う環境負荷の軽減や、記録や履歴が残ることから《支出管理》が容易になるなど、多くのメリットがあると言われます。
【計画的な利用】多くのメリットを持つキャッシュレス決済は、一方で《リスク》や《注意》の必要も。
クレジットカードは便利な反面、支払能力を超える恐れがあることから、使い過ぎる心配がある場合は、QRコード決済や電子マネーなど「前払い方式」も有効です。
【セキュリティ対策】キャッシュレス決済の利用には「個人情報の漏洩」や「不正利用」を防ぐための注意の必要が。そのため「パスワード」の定期的な変更やアプリの更新も大切と言われます。
こちらのグラフは《フィッシング詐欺》に関する「報告件数」を年毎に表したものです。
2022年に報告された情報は、およそ《96万件》と増加の一途をたどり、コロナ前の2019年と比較すると15倍以上に急増、「過去最多」となったと言います。
近年は、スマホ決済の《不正利用》事件が多発し、「のべ数百万人のIDなどの個人情報が、犯人のパソコンから発見」などという驚きの報道も。
最近、増えつつあるのが「SIMスワップ詐欺」です。フィッシング詐欺との「乗っ取り」対象の違いは、
こうした詐欺の《ポイント》には、以下4点が。
【SIMカード】チップを含む小さなカード、電話やSMS(メッセージ)に必要
【詐欺のしくみ】例えば、以下のようなケースが、
【SNS】そのため詐欺師は、Facebookなどから、出来る限り多くの個人情報を収集
【被害者になる兆候】以下の現象などが、見られる場合があり
私たちは、電話やメール、SMS(メッセージ)をはじめ、さまざまにスマホを利用しています。
そうした私たちの日常活動から、詐欺師は《個人情報》を収集し、集めた個人情報の断片を組み合わせ、スマホを乗っ取っる「SIMスワップ詐欺」などが発生すると言われます。
詐欺から「どう身を守るか?」情報セキュリティの専門家などから、以下のような指摘も。
【個人情報】詐欺師に「個人情報」を与えない。
【警告】自分が被害者かもしれない「兆候」を知る。
【対処】《スマホ決済、クレカ、ネット銀行》などで、不正利用の恐れがある場合の対処。(対処が遅れると補償などが受けられないケースも)
私たちが暮らしの中で気をつけたいことは、
【リンク】メールやメッセージのリンクは「開かない」
【ログイン】必ず「正規」サイトか「アプリ」から
【パスワード】複雑なモノを、定期的な変更も推奨
上記を守るための《参考方法》として、
【まとめ】キャッシュレス決済やインターネットのサービスは、とても便利なものですが、こうしたリスクとは、常に背中合わせです。
例えば、Googleは「2年間」未使用の「Googleアカウント」の削除を発表しました。理由は《休眠アカウント》が攻撃者から侵害されやすく、個人情報に被害が及ぶ恐れがあるからと言います。(2023年12月~順次開始/詳しくは▶ ちょっとお知らせへ)
デジタルには、こうした二面性があることを理解し、①必要なデジタル情報を知り、②セキュリティ対策に柔軟に対応することが《デジタルの恩恵を得るために》大切と言われています。
《スマホ 》に関連して学べます。
▶ ブログ >デジタル安全祈願(気をつけたいこと)