― 若宮さんから私たちへ ―
2022年 9月 9日(札幌)一社 北海道消費者協会 主催
デジタルクリエーター・ICTエバンジェリスト【若宮 正子 氏】
若宮さんはデンマーク以外の《IT先進国》の状況や「日本で電子政府になると、いいことあるのか?」「なぜ日本のデジタル化は遅れてしまったか?」、そして最後に「人生100年時代を生ききるためには?」について、私たちにとても大事な示唆を下さっています。
他の「IT先進国」の状況にも若宮さんは言及されています。
韓国が今では電子社会を形成していることや「日本で電子政府になるといいことあるの?」に対して、以下を挙げられています。
2000年に開催された《IT戦略会議》では、「日本のIT革命の取り組みの遅れ」が各国と対比されていたものの、遅れは取り戻せぬまま今日に至った、と若宮さんは言われます。
「なぜ日本の「デジタル化」は遅れてしまったのか?」
若宮さんは戦前のお生まれ、自身を取り巻く環境が目まぐるしく変わっていった様は「AIが台頭し世の中の考え方や価値観が大きな変化を遂げようとしている今と、とてもよく似ている」と。
その上で「社会の構造が変われば、それに伴って常識や考え方も変わります。社会の変化やそれに伴う価値観の変化も、やはり学ぶべきだと思う」と《学び直し》の重要性に言及が。
そして「AI時代の到来を避けることはできません」「AIとは共に生きていくしかないとも思う」と言われ、大事なことは「こちらの人間力を向上させておかない限り、AIとはつきあっていけないという点です。つまり、テクノロジーが進化すればするほど、逆説的に人間力と言うものを重んじる必要があると考えています」と、新たなデジタル社会での生き方を示唆されています。
「人生にもう遅いはない、人間力アップのためにいろいろな経験をしたほうがいい、というのはシニアでもミドルでも一緒です」
若宮さんは60歳でパソコン、73歳でピアノ、81歳でプログラミングを始められ、いまも新たな学びを始めているそうです。
「今は独創力が重視されるアイディアの時代になった」ともおっしゃいます。「面白そうと思ったら、踏み出してみたらいいんです」と、自分自身の「アップデート」を提言されています。
「人生100年時代ですから、何歳からのスタートでも間に合います」
ご自身の豊かなご経験やお考えを、惜しみなく授けて下さったことに深く感謝します。どうもありがとうございました。若宮さんから「デジタルを学ぶ人」へのメッセージは▶ 若宮正子さん へ
年明け、米調査会社ユーラシアGが発表した今年の《世界10大リスク》第3位は「テクノロジー進歩で社会混乱」でした。この「AIの進歩」は早くも現実のものとなってきています。
世界を席巻する「ChatGPT」をはじめとした《対話型AI》は「長文での質問が可能」になることで、学術的問題(司法試験など)への回答能力が大幅に向上するなど飛躍的な進歩を遂げつつあります。
「AI」は来るべきSociety5.0の根幹の一つ、今後の《社会構造》の変化については▶ 1月学習会(変わる社会)で学んだところですが、上述のとおり若宮さんは「人生100年時代」を生ききるために「AIと、どう共生していくべきか?」などを私たちに伝えて下さっています。
若宮さんの言われる《社会や価値観》の変化に対する「学び直し」へ向けて、「DX」研究会が実践する学び合いを多少なりとも深めていけるよう「デジタルの学び」の重要性を、改めて感じる次第です。
《若宮さんについて》
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▶ デジタル子ルポ(大会当日の様子)
▶ デジタル子サロン(若宮さんが副会長「メロウ俱楽部」のリンク)