知っていきたいデジタルリテラシー【IOWN 構想】

―「DX」研究会 学習会 ―


「IOWN 構想」の可能性《 NTTが掲げる新時代 》


  • 《講師》俵屋 年彦 氏(たわらや・としひこ)
  • ボランティア団体  VRアートを楽しむ会・創設者
  • アートとテクノロジーの民主化を促進する TAWA LAB 運営
  • コミュニティFM三角山放送局で25年間パーソナリティーを継続中
  • NPO法人 さっぽろ自由学校「遊」で理事と講師

最近よく聞く「IOWN」とは


デジタルと共に「DX」研究会:8月学習会資料イメージ
Photo by Tatsu Akita

NTTは、2023年3月から次世代通信技術「IOWN」の実用化を発表しました。IOWN(アイオン)とは、 Innovative Optical & Wireless Network (英)最先端の《光技術》を使用し、豊かな社会を創るための構想です。

 

光通信や無線通信をベースにした新しい通信基盤IOWN》を使い「IOWN1.0」から、2030年頃の本格実用化を目指して、順次「IOWN4.0」まで続く予定です。

 

その品質は従来に比べ伝送容量125倍・遅延200分の1になるなど、以前は困難だった圧倒的な効果がもたらされます。例えば「遠方から時差なく高画質映像を見ながら手術を行う」などの遠隔医療が可能になり「遅延が抑えられたリモート合奏」の実現など、新たなビジネスの創出が期待されるイノベーションについて学びました。*PowerPoint使用


AI絵画サービス「MidJourney」


デジタル共に「DX」研究会:8月学習会資料

ネットで話題の《AI絵画サービス》実例から新しいテクノロジーの位置づけを学習。入力文字の指定で人工知能が1分間で絵画制作するサービスで誰でも簡単に多くの人が活用。

 

これまでの同様な絵画に比べ、精密かつ配色のよいアートとして突出した水準です。


実例で使用された生成構文は、OtherworldlyMuseums,roses,jewelry,crystals- Upscaled (Max)



オールフォトニクス・ネットワーク


デジタルと共に「DX」研究会:8月学習会資料イメージ
Photo by Tatsu Akita

《オールフォトニクス・ネットワーク》とは「IOWN」を構成する主要技術分野の一つで、このネットワークの光化と光技術》の活用IOWNの極めて重要な役割を担うと言われます。

 

通信から端末までを光化。主に通信の光技術を情報処理にも適用し異なるサービスを《1つの光ファイバー》の異なる波長に割り当て→《低消費電力》《低遅延》《大容量と高品質化》

 

オールフォトニクス・ネットワークの《 3つの性能 》

  1. 電力効率100倍(電子機器の使用時間を長延化)
  2. 伝送容量125倍(大容量データのダウンロード可能)
  3. 遅延200分の1  (遅延解消、場所や距離を問わず)

未来を変える「デジタルツイン」


デジタルと共に「DX」研究会:8月学習会資料
Photo by Tatsu Akita

《デジタルツイン》とはIOWNを構成する主要技術分野の一つでツイン=双子のこと。

  • 現実世界のモノヒトなどサイバー空間上に正確に再現(双子)、そこに予測を行い最適な提案を。
  • その概念を発展し多様なデジタルツインを掛け合わせ、円滑な活用促進を図ります。

《実世界の再現を超えた新たな世界の実現》

《さまざまなセンサー・機器の柔軟な接続》

 

デジタルツインは後述の災害対策の研究や東京都が抱える課題解決へ既に始動。詳しくは▶ デジタル子ラボ 


新たな価値の創造「未来予測」


IOWN構想が目指す社会の鍵は《未来予測》と言われます。それは《新たな価値の創出》であり、《正確な予測》は十分な対策をもたらし《未来を変えること》につながると考えられています。

 

例えば医療などの分野では、体温や血圧、心拍数などの日々のバイオデータに病気の履歴、ゲノム情報などを掛け合わせ、「いつ頃に何の病気にかかりやすいか?」を正確に《予測》これにより、個人ごとの予防や病気になった時の迅速な対応が可能になるのだそうです。


「IOWN」について視聴できます


《参考資料》基調講演

岡 敦子  Road to IOWN 射光

島田 明  IOWN1.0IOWNサービス」スタート

  • 2023年3月~ IOWN1.0「IOWNサービス」開始

「VR」体験会


デジタルと共に「DX」研究会:8月学習会資料
VR空間では360度どの角度からでも作品鑑賞が可能

VRは幅広く活用されています。《VRゴーグル》を装着しVRアートを鑑賞。空中に浮かぶ作品と同じ空間の中自由に歩き回り360度どの角度からも作品を見ることが可能です。

VRの詳しくは、 学習会(VRの歴史・Society5.0)


VRゴーグルは若宮正子さんもご愛用。お友達とVR世界で待ち合わせ、おしゃべりを楽しむそう。好奇心と柔軟性は大切とのことです。



デジタルツインで「災害対策」


近年は地震や豪雨など大規模な自然災害が多発し災害に強い街づくりが世界的な課題に。それにはまず地震や水災など複数種類の大規模災害を具体的かつ正確に予測する必要があります。《デジタルツイン》の活用メリットは、

  1. 《仮想空間》に《現実空間》を双子のように再現
  2. そこで災害の被害《予測モデル》を構築し対策
  3. 平地図では困難な《リアルタイムデータ》可視化

デジタルと共に「DX」研究会:8月学習会資料イメージ

現在、損害保険会社がNTTコミュニケーションズとの協業及び企業・防災団体などの複合体制で複数種の大規模災害を高精度で予測する技術の実現に取り組み、予測結果に基づく研究を進めています。

  • 災害の初期対応の《方針策定》
  • 災害時の《安全対策
  • 災害発生時の《補償》

今まで災害規模の正確な予想は困難でしたが、デジタル技術の活用で一日も早い安全に暮らせる街の実現が待たれます。