― 代表ごあいさつ―

新しい「デジタル」の世界へ


デジタルと共に「DX」研究会:花の写真

2023年4月「DX」研究会の代表を拝命しました。当研究会は2022年9月、コロナ禍による急速なデジタル社会への進行を鑑み発足、この間もデジタル技術は進展を続け、今なおその加速は続いています。

 

私たちの暮らす社会はとても便利です。こうした社会の礎は、日本の高度成長期に築かれ、その背景には《右肩上がりの経済》や《高い出生率》そして《豊富な労働力》などがあったと言われます。

 

しかしながら、半世紀以上を経た現在、日本は世界でも有数の《少子高齢化》を迎え、2023年4月の総務省の発表によれば、日本の総人口は《約1億2,495万人》と12年連続減少。その減少幅は、《過去最大》になるなど、さまざまな社会課題を抱える国へと変遷しています。


変わる暮らしの「消費活動」に


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例えば、さまざまな要因から今までの高品質のサービスを、この先も維持することは困難です。そのため、スーパーなどではセルフ化が進み、コンビニや書店などは無人化も試みられていると言います。

 

こうした便利なシステムは《スマホ》や《キャッシュレス決済》の使用が前提で、そこから見えてくる景色とは、私たちがその条件を満たせなければ、消費活動がある種制限される可能性もゼロではない、というものかもしれません。

 

日本はもともと資源の少ない国です。今後は担い手不足なども加わり、更なる効率化が求められていきます。「デジタル機器が使えなければ、不利益を被る」とは既に言われることですが、このような社会の動向も「未来社会は自己責任の世界かもしれない」と、感じさせる所以です。


「Society5.0」という未来社会で


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しかしながら「デジタル」とは人のために生み出された技術。今まで解決が難しかった、さまざまな社会課題を解決へ導くとされる社会が「Society5.0」と呼ばれる、国が目指す《未来社会》です。

 

来るべき社会はデジタル技術が基盤となる世界。そのため高い利便性と多様な恩恵の一方、デジタルデバイド(情報格差)が進み、デジタル機器が扱える人とそうでない人との《二極化》がテクノロジーの発展と共に、より深刻化する懸念があると言われます。

 

デジタルデバイドとは「情報技術を利用《できる人》と《できない人》との間で生じる情報格差によって《機会》や《待遇》の差、最終的には《貧富》の格差にまでつながる」という考え方ですが、日本では単に「デジタル機器を操作できるか、どうか」だけの意味で理解されることも多く、こうした情報格差は、なかなか自分では気付きにくい、という特性もあるようです。


より豊かな「暮らし」を享受するために


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そのため当研究会では、「Society5.0」の社会で「より豊かな暮らしを享受する」ことを目的に、幅広い世代の会員が《互いに知識を持ち寄って》今からコツコツ少しずつ《デジタルリテラシー》を身に付ける、そうした《学び合い》を進めています。

 

社会を維持するためのデジタルは、その能力の高さから驚くほど便利な社会をもたらし、社会構造をも変えると言われます。半面その極めて高い能力ゆえ、テクノロジーにより社会全体の利便性が底上げされる結果、デジタル機器が扱えない場合は今より不便な生活となる可能性があるのです。

 

私たちは今「第4次産業革命」のさ中にあるとされます。過去幾つかのこうした革命は、社会の仕組みや価値観を大きく変えてきました。デジタルが分からなくて「不利益」を被らないために、デジタルで豊かな消費生活を共に送れるよう、新たな社会への《順応》とデジタルとの《共生》に向け、多少なりとも寄与することができましたなら、誠に嬉しく存じます。

2023年4月

デジタルと共に「DX」研究会

代表 たけだ むぎ