―「DX」研究会 学習会 ―
「VR」は Virtual Reality の略で《仮想現実》と主に訳され、より実体験に近い体験が得られる、現実のようなリアルな体験ができます。ゴーグルは必ずしも必要とは限りませんが、装着することで視界が完全に覆われることにより、極めて現実に近い世界への《没入感》を得ることができるのです。
そして「Society5.0」とは内閣府HPによれば《仮想空間》と《現実空間》を高度に融合させたシステムにより経済発展と社会的課題の解決を両立する《人間中心の社会/Society》と言われます。《狩猟》→《農耕》→《工業》→《情報》(社会)に続く新たな社会を指し、目指すべき未来社会の姿として提唱。
IoTで全ての人とモノがつながることで創出される新たな価値により、さまざまな課題を克服するとされます。経済産業省は実現の鍵となる技術に《 IoT》《ビッグデータ》《人工知能(AI)》《ロボット》を挙げています。そうした二つの空間そしてAIと共に進む未来社会を学びました。
最初に10月22-23日に「札幌チカホ北2条広場」で行われたNoMaps2022「VR Street」について説明。さまざまなVR体験として以下を紹介。
VRアート祭の会場ではパーティバルーンや、のぼりなどで楽しい雰囲気を演出。2日間で208人の方がVRアートを体験、110人の方が感想文を書いて下さり「初めての体験」「すごく綺麗」「感動しました」「またやりたい」というたくさんの声が。
先駆者であるアイヴァン・サザランド(1938年5月16日~)を解説。1961-64年「スケッチパッド」という対話的インターフェース・システムでコンピュータグラフィックスを生み出します。
1965年論文「究極のディスプレイ」ではCGが作り出す空間の可能性を展開し仮想世界のヴィジョンを掲示。
1968年には顔の動きに合わせて立体画像が変化する「三次元HMD」を発表。コンピュータによるバーチャル・リアリティの歴史はパーソナル・コンピュータやインターネットよりも古いのです。
現在のVRブームの口火となったのは、パーマー・ラッキーがスマートフォンの部品で作ったOculus RiftというVR機器です。スマートフォンの普及で高性能な液晶、センサーが安価で生産できる環境が誕生。Oculus Rift DK1は、それを利用して300ドルでVR機器を製造。映像の歪みは特殊レンズではなくコンピュータで修正しました。
VR機器は改良が進み、娯楽、教育から医療まであらゆる分野で利用が進んでいます。医療ではリハビリに劇的な効果を発揮していますが、とくに「痛み」対策としての活用も増えています。
ゲームや音楽ライブなどエンターテインメント的な分野が先行するVRですが、例えばどこからでも同じ教育(授業)が受けられたり、遠隔地からの医療・介護の支援やスポーツ観戦・技術トレーニングのほか観光や不動産の内見など、さまざまな分野への利用が広がっています。
両者の関係を考える鍵となるBODY SHARINGを説明。今年3月に刊行された「BODY SHARING 身体の制約なき未来」(玉城絵美著)を中心に解説。
「Society5.0の実現にはフィジカル空間とサイバー空間の融合が必須である。そのためには、両者を架橋するインターフェースの発展を欠かすことは出来ない。
そのインターフェースとなるキーテクノロジーがBody Sharingである。Body SharingはSociety5.0による社会構造の変化をさらに加速させる役割を果たすだろう」(P18)
「インターフェース」とは(英:interface)もともと《接点》や《境界面》を表す言葉で、デジタル関連でよく用いられます。コンピュータシステムで《それぞれ別の二つの機器やシステムを接続する部分を指す用語》と言われ、人と機械の接点となる入出力システムを指す場合もあります。
例えば私たちがそうしたシステムを利用するには、その仲立ちをしてくれるパソコンやスマホなどの存在があります。Society5.0は《仮想空間》と《現実空間》を融合するもので、現実空間にいる私たちがそれらを活用するためには仮想空間との橋渡し役が必要なことから、非常に重要な分野であろうと思料されます。
VR体験会では、VRアート作品の中に入り込む体験とコントローラなしのハンドトラッキングで、空間の中で紙飛行機やミニロケットを実際に手で掴んで飛ばすなどバーチャル空間を体感しました。今後ゴーグルはより使いやすい小型化へと改良される予定です。
こうしたVRの「没入感」を利用し以下などが実現しています。しかしながら既にリハビリの多大な効果が認めらるものの、健康保険が効かない現状に一日も早い普及が待たれます。
詳しくは、▶ 学習会(鎮痛とリハビリとVR活用)へ
《イノベーション・テクノロジー》に関連して学べます。