― 若宮さんから私たちへ ―
2022年 9月 9日(札幌)一社 北海道消費者協会 主催
デジタルクリエーター・ICTエバンジェリスト【若宮 正子 氏】
《基調講演》
誰ひとり取り残さない、ひとに優しいデジタル改革をめざして
講演はいよいよ佳境に、若宮さんは「電子政府になるメリット」「日本のデジタル化が遅れた理由」そして「人生100年時代を生ききるために」私たちに大事なメッセージを下さいました。
【IT先進国の状況】例えば中国(北京)は朝市の屋台も支払いは《QRコード》。韓国では2010年に68歳からでもパソコン学習を啓発し、今では電子社会を形成していると言います。
では、日本で電子政府になると、どんないいことがあるのか?
若宮さんは「国と国民のやり取りや健康情報」を挙げています。
【取り戻せなかった遅れ】じつは2000年に開催された「IT戦略会議」で「日本のIT革命の取り組みの遅れ」が各国と対比されていたと言います。しかし遅れは取り戻せぬまま今日に至ったと。
【なぜ日本のデジタル化は遅れたか?】若宮さんによれば、①上の人が高齢で積極的でない、②白黒はっきりさせたがらない国民性?③選挙の票にならない?④国民に当事者意識が薄い
【変わる価値観】戦前、戦後と取り巻く環境が目まぐるしく変わっていった様は「AIが台頭し、世の中の考え方や価値観が大きな変化を遂げようとしている今と、とてもよく似ている」
【学び直しの必要】その上で「社会の構造が変われば、それに伴い常識や考え方も変わる。社会の変化やそれに伴う価値観の変化も、やはり学ぶべきだと思う」
【デジタル社会の生き方とは】「AIとは共に生きていくしかない」大事なことは「こちらの人間力を向上させておかない限り、AIとは付き合っていけない」「テクノロジーが進化すればするほど、逆説的に人間力と言うものを重んじる必要がある」
【人生にもう遅いはない】「人間力UPのために、いろいろな経験をしたほうがいい、というのはシニアでもミドルでも一緒です」
「面白そうと思ったら、踏み出してみたらいいんです」
「人生100年時代ですから、何歳からのスタートでも間に合う」
若宮さんは60歳でパソコン、73歳でピアノ、81歳でプログラミング、いまも新たな学びを始めていると言います。ご自身の豊かな経験や考えを惜しみなく授けて下さった若宮さんに感謝です。 *若宮さんから「デジタルを学ぶ人」へ ▶メッセージ
若宮さんが「AI時代の到来を避けることは出来ない」と言ったAIは、早くも現実のものとなり、世界を席巻するChatGPTをはじめとした「生成AI」は急速かつ飛躍的な進歩を遂げつつあります。
私たちを取り巻くデジタル技術の進歩は目覚ましく、時に迷子になりそうなことも。「AIとの共生」を考える時、《変わる社会や常識》の受容と自分自身のアップデートが鍵になる。若宮さんからのこうした学びは、この先のAI社会へと向かう私たちの確かな道標になってくれるのではないかと感じています。「しなやかにのびやかに生涯アップデートを」と。
《若宮さんについて》
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▶ 若宮正子さん >講演を学ぶ -4
▶ デジタル子ルポ(大会当日の様子)
▶ デジタル子サロン(若宮さんが副会長「メロウ俱楽部」のリンク)