2022年デジタルライフ研究会と「DX」研究会を立ち上げました。背景にあるのは昨年9月のデジタル庁創設を皮切りにアナログからデジタルへと急速に進む社会の変化です。
それまで生活基盤であった3G対応の携帯電話が使えなくなるというニュースに驚き慌てたアナログ世代は少なくないと思います。
国が目指す未来は、あらゆる情報が5Gという通信技術で繋がれた「society5.0」というデジタル社会。AI(人工頭脳)やロボットの力を借りて私たちの生活をより便利で安全・安心な暮らしやすいものに変える理想社会の姿です。
しかし、その恩恵に与かるためには個々人が最低限のデジタル知識とデジタル機器を使いこなせる力を備えていることが前提条件になります。日々の買い物も行政手続きもスマホやタブレットで行うことが当たり前になる時代が近づいています。私のような高齢でデジタルに疎いアナログ世代がついていけるでしょうか。
厄介なことに、このデジタル恩恵は悪質業者も詐欺集団も受けていくことに。デジタル苦手を理由にモタモタしている私たちとは比べ物にならない速さで受け入れていくことでしょう。アナログ世代の消費者は便利さと引き換えに、今まで以上のリスクに晒されていくことになりそうです。
今後は年齢やデジタルに疎いことなど理由になりません。デジタル機器が使えなければ「不利益」を被るだけ。未来社会は自己責任の世界かもしれません。「誰一人取り残さない社会」を謳っていた国が「誰一人取り残されない社会」と微妙に表現を変えてきたのも気になるところです。
座して待つだけの者に幸せが届く筈もなく、私たち高齢者は時代から取り残されないためにもデジタル機器にアクセスできる準備をしておく必要がありそうです。
とはいえ、デジタルに疎いアナログ世代に一人で学べというのはムリ。人と人との繋がりの中でこそ学びが成り立つと考えています。
そのため高齢者を対象にデジタルの利便性を実感できる取り組みとしてデジタルライフ研究会を、さらに世代を問わず新たな社会への準備としてデジタルリテラシーを習得する「DX」研究会を、それぞれ学びの場として立ち上げたものです。
疎遠社会といわれる今、当学習会への参加で興味ある情報を入手したり仲間とのコミュニケーションを広げることができれば、一石二鳥の効果を生み消費者協会の地域に果たす役割も意義あるものになると予期しつつ活動を進めてまいります。
2022.9月
デジタルと共に「DX」研究会
デジタルライフ研究会
代表 武田 佳世子